<日本オープンゴルフ選手権競技 最終日◇18日◇六甲国際ゴルフ倶楽部 東コース(7,394ヤード・パー72)>

 『日本オープン』で池田勇太との激闘を制し、ツアー通算3勝目・メジャー2勝目を達成した小平智。世界へ打って出ることを渇望する26歳は、自身の殻を破るべく“勝負強さ”をつけるため、新たなトレーニングを取り入れている。

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 小平がここ1か月間取り組んでいる“勝負思考”の鍛錬が最終日での痺れる展開でも活きた。“脳をコントロール”するための指導をあおいでいる脳神経外科医の林成之先生からは「“最後に優勝カップを持っている姿をイメージしろ!”」とアドバイスされ、試合中はずっと優勝することだけを考えていたといい、トータル13アンダーで並んだ最終18番も「昔の自分なら“パーでいいや”と守りに入っていたけど、今は“絶対にバーディを獲って決めてやる”と思えるようになった」とここ数か月でメンタル面が著しく成長していると実感している。

 “脳の指令を操る”指導を受けた際に感じた日本人選手と海外トッププロの思考の差。「林先生は、バーディをご褒美と感じたら次にボギーが出る確率を数字として出してくれたり、“バーディで嬉しいと思ったらダメ”獲って当たり前を思わないといけない”ということを漠然としたものではなく、データで提示してくれる」。日本人はバーディを獲ると安心してしまう。連続バーティを生み出せる世界的なプレーヤーとは根本的な差が存在することを知った小平は意欲的に新しい理論を学んだ。

 以前から自身のゴルフに対する閉塞感を払拭するために様々な人の意見を聞いていたが「ユーチューブでジャンボさんが出演した“情熱大陸”を見て当時の心境を想像したり、(片山)晋呉さんに“出すぎたクイは打たれない”という言葉をもらったりして、(トップ選手は)自分に自信を持っているなとは思っていた」がそれを“1本の線”につながった。交際中の元賞金女王・古閑美保にも活躍当時の心境を質問して、彼女の考え方に当てはまったものはすぐに取り入れたという。

 殻を破りたいという願いの源泉は「世界を目指す日本人が少ない。もっと上手くなりたいと思う若手が増えて欲しいし、先陣を切ってやりたい」という考えだ。松山英樹、石川遼、そして34歳でPGAツアー挑戦を果たした岩田寛を「凄いと思うし、自分も負けたくないという気持ちがモチベーションになっている」と話す小平は、20代中盤の自身がもがくことで、国内ツアーで満足しようとする下の世代をどんどんと引っ張りあげたいと感じている。

 『日本オープン』優勝での5年シード、そして『全英オープン』出場権を得たことで「また世界に挑戦できるのは嬉しい。海外の試合に積極的に出て行きたい」と、2013年にコテンパンにされたという海外メジャーへのリベンジや、将来的な海外進出を描くことができる。

 後天的に“日本人離れした思考”を取り入れた小平が、海外で成功を収めれば明確なモデルケースになるだろう。

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