<アジア・パシフィック アマチュア選手権 最終日◇4日◇クリアウォーターベイGC(6,513ヤード・パー70)>

 台風22号の影響などによる悪天候で最終ラウンドが中止となった「アジア・パシフィック アマチュア選手権」。54ホール終了時点の成績が最終順位となり中国の17歳ジン・チェンがトータル11アンダーで逃げ切り優勝を果たした。ジンには来年の海外メジャー「マスターズ」の出場権と「全英オープン」最終予選会出場権が与えられる。

強風により完全に破壊された長谷川祥平の傘
 終わってみれば、第3ラウンド最終18番でジンが奪って1歩抜けだしたバーディが勝負を決めることとなったが、この日仮に最終ラウンドを実施していれば誰に勝利が転がり込んだかまったく予想不可能だった。風速20メートル近い暴風雨はいとも簡単に直径4.3センチのボールを押し流していく。日本勢は長谷川祥平、岡崎錬の2名以外の4選手が競技をスタートしたが、4選手の強風体験談を聞けばどんなコンディションだったか想像がつく。

 この日INコースのトップでスタートした小木曽喬は最初の被害者とも言える。もっとも風が抜ける10番でダブルボギースタート。「左からの風で、“もういいや”って思って左のOB方向に打ちました。やばいっす。ダボの後はパー、パーでしたよ!(ガッツポーズ)でも、そのままやったとしてもハーフで2ダボは見えている(笑)」。

 続いてスタートしたのは小西健太。こちらは海方向の右からアゲインストの打ち下ろしの1番パー3からスタート。放ったボールは風に押されてグリーンを大きくショートしてボギースタートとなった。「パー3のセカンドが残り80ヤード(苦笑)。アゲてたからピッチングで打ったら、今度はグリーンをキャリーでオーバーして。もう、逆に面白かったですけど(笑)」。

 その一組後ろで出た片岡尚之は、普段ならミドルアイアンで打つ打ち下ろしのパー3で、3番アイアンを手にした。「3アイアンでグリーン方向に低い球打って乗った!と思ったんですけど、行ってみたら左のラフまで持っていかれてました。もう海沿いはやばいです(笑)」。

 INから出た石徳俊樹はスタートのティショットから風に持っていかれて、暫定球を放ってコースへ出て行った。10番はなんとかボギーで切り抜けるも「11番は海の方を向いて打ったら、返ってこなくてそのまま風で下に落とされました(苦笑)」。打ち直しのティショットは放つ前に競技は中断。命からがら?クラブハウスに引き上げてきた。

 ちなみに長谷川は同組のオナーがティショットを打つのを隣で見ていたが、「右からの風でグリーン右に低い球でスゴイいいショット打ったなぁと思ってたら、ぎゅーんっ!って60ヤードくらい左に持っていかれて(笑)カート道のほうまで行ってましたよね?」。その後中断のホーンが鳴り長谷川はショットを打つことはなかったが、引き上げる途中で強風で傘が壊れて使用不能となった。「何も打たずに傘だけ壊してきました。あれ新しかったのに…」。

 おわかりいただけただろうか。このコメントはほんの一部。クラブハウスでは各国の選手が各々の強風体験を語り合い、傷を癒やす光景が見られた。コース内では倒木も発生。前日にはテレビカメラ用のリフトカーが転倒するなどの事故も起きていただけに、中止もやむなしといったところか。

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