<ANAオープン 最終日◇20日◇札幌ゴルフ倶楽部・輪厚コース(7,063ヤード・パー72)>

 耐えて突き放して頂点をつかんだ18ホール。北海道にある札幌ゴルフ倶楽部・輪厚コースで開催された、国内男子ツアー「ANAオープン」。最終日をトータル13アンダーの首位タイから出た石川遼は、5バーディ・2ボギーの“69”でトータル16アンダーまでスコアを伸ばし、今季国内ツアー初参戦で初勝利。ツアー通算12勝目を7度目の出場となるホスト大会で達成した。

【関連写真】優勝の瞬間はちょっと緊張気味?
 朝にかかった雲を吹き飛ばした輪厚の強い風は、混戦を運んできた。首位タイスタートの石川、小田共に序盤は停滞を続ける。石川はバーディとボギーが交互に来る展開で後続との差はジリジリと縮まった。しかし、バックナインの中盤に入って展開が一気に動く。

 右ドッグレッグの13番ではティショットを林の上に打ち出して、ショートカットすると花道からの約82ヤードのセカンドを3メートルにつけてねじ込んだ。これで15アンダーとし一歩抜け出すと、続く14番ではカラーからパターで直接放り込むバーディ。これで、4打差。大勢は決した。

 しかし、大きなリードを奪っても石川に余裕はなかった。「最後も寄せてみなさんは優勝確定という感じだったかもしれないけど、それとは裏腹に開放されなかった」。約1年2か月ぶりのウィニングパットは少しぎこちないもの。石川を包んだ大歓声が、少しずつ体を支配していた緊張を解きほぐしていった。

 「4番ウッドと6番ウッドの顔を見ていない(笑)」とこの日もドライバーにこだわった。フェアウェイキープ率は高くはなかったが、「上手いゴルフではなかったと思う。自分の中では、すごいショットを何回打てるかというチャレンジだった」と強い気持ちで難関・輪厚と向き合っていく。「このコースはポイントに刻んでいけるスタイルの選手が強いと思う。そして、もう1つは自分のプレースタイルを貫ける選手」。まさに今大会の石川が目指したのは後者だった。

 きっかけは先週。マッチプレー選手権で1回戦負けを喫したあとに自問自答した。「自分がなんでゴルフをやっているんだというのが曖昧になっていた。勝つためにやっているし、1歩でもうまくなりたい探究心を忘れていた」。シード権など常に結果を求められる米ツアーで揉まれるうちに、失敗を恐れ、チャレンジを怖がっていた。そこで、決めた。「今週は20オーバーで予選落ちしてもいい」。

 石川の今週の攻めは輪厚の常識からは、少し外れていたかもしれない。それでもそこにあえてチャレンジして、勝ち取った。「チャレンジするということを愛していきたいし、チャレンジが好きというのが僕の原点だった」。先週マッチプレーで敗れなければもしかしたらこの心境にはたどり着かなかったかもしれない。「そういう意味では堀川選手に感謝しなきゃいけない(笑)」。北海道での2週間は大きなきっかけとなった。

 「今年一年はこんなゴルフをしてこれたわけではなかった」。だからこそ、ここでつかんだチャレンジ精神をはやく米ツアーに持ち帰りたい。来る開幕は10月15日。「また、楽しくなってきました」。石川は嬉しそうに笑った。

【石川遼の国内ツアー優勝】
2007年
05/17-05/20 マンシングウェアオープンKSBカップ 優勝スコア -12 ※アマチュア
2008年
10/30〜11/02 マイナビABCチャンピオンシップ 優勝スコア -9
2009年
06/25-06/28 ミズノオープンよみうりクラシック 優勝スコア -13
07/30-08/02 サン・クロレラ クラシック 優勝スコア -17
09/03-09/06 フジサンケイクラシック 優勝スコア -12
10/01-10/04 コカ・コーラ東海クラシック 優勝スコア -14
2010年
04/29-05/02 中日クラウンズ 優勝スコア -13
09/02-09/05 フジサンケイクラシック 優勝スコア -9
11/11-11/14 三井住友VISA太平洋マスターズ 優勝スコア -14
2012年
11/08-11/11 三井住友VISA太平洋マスターズ 優勝スコア -15
2014年
07/03-07/06 長嶋茂雄招待 セガサミーカップ 優勝スコア -10
2015年
09/17-09/20 ANAオープン 優勝スコア -16


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