<ANAオープン 初日◇17日◇札幌ゴルフ倶楽部・輪厚コース(7,063ヤード・パー72)>

 水曜日のプロアマ戦終了後。練習場に1つの輪ができていた。石川遼も加わる輪の中心にいたのは谷口徹。練習場の250ヤード地点に設置されたネットをどれだけ越えていけるか、若手と競いながら飛ばし合いだ。その中で47歳は柵越えドライブを連発し、周囲からは歓声の嵐。

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「ネット越えまくりですわ。トレーニングで体もできているし、5年後にはローリー(マキロイ)だな(笑)」。

 正確無比なショットで知られる男も今は飛ばし命。練習場の隅でこっそり打っていた若手の一人・堀川未来夢を呼び寄せて、ネットを越えないとみるや「全然アカンやないか(笑)」と集中攻撃だ。

 その勢い?そのままに谷口は初日4アンダー・4位タイ発進。同組の松村道央も同じ4アンダーでスタートしたが、互いに“朋輩”と呼び合う弟子には「圧勝ペースだったけどな。もう1つ伸ばしきれなくて追いつかれたわ。まぁ大人のゴルフができているなと思いましたわ」と牽制“口”撃。「振れているから楽しいわ。(もう一人の同伴)カート・バーンズにも(飛距離で)勝とうかという気持ちだったけど、さすがにパワーが違った」と口調はどんどん滑らかになった。

 過去16回出場中、2009年の優勝を含むベスト10入り3回の輪厚には特別な思い出もある。ANAのCAだった妻・亜紀さんと出会ったのは何を隠そう輪厚のティグラウンド。その場での“ナンパ”説は否定したが、ティグラウンド後方からCAが見守るのは大会恒例で、「(CAが見守る)10番に来たら“ヨッシャー”となって、パカーン打っていたわ」と若き日の谷口は、いい所を見せようと張り切ってクラブを振りちぎっていた。

 その亜紀さんの誕生日は8月で、優勝を手土産にして祝うことはできなかったが、先週は次女の誕生日、そして9月末には長女の誕生日が控えており、今月の勝利は何より欲しい。愛娘からは先週マッチプレーで勝った武藤俊憲を見て“やっぱり違うね”とチクリと言われた谷口パパ。

「そのうちパパも100点とるからって言ってきているんですよ。(勝つ準備は)いつでもOK。つまらないボギーをなくしていきたい」。

 家族への愛と、後輩への負けん気と。気持ちを全開にして最終日まで飛ばしていく。

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