<フジサンケイクラシック 最終日◇6日◇富士桜カントリー倶楽部(7,471ヤード・パー71)>

 「途中はダメかと思いました」。2位と4打差で首位で迎えたキム・キョンテ(韓国)の『フジサンケイクラシック』最終日は序盤から大きく動く。3位スタートの川村昌弘が4番までに3バーディ。一方のキョンテは1ボギーでアドバンテージは1打となり、優勝争いが混沌となった。

ここまでの国内男子ツアーはフォトギャラリーで
 「スタート時は他の選手のことは考えないようにしようと思っていましたが、途中はプレーオフも頭をよぎった」と、キョンテの心のなかは緊張感につつまれていた。9番終了時点でトータル9アンダーとなったキョンテは後半もバーディを奪えない。さらに13番ではショットが乱れ、1つスコアを落とした。この段階で1打差の7アンダーに川村、マシュー・グリフィン、平本穏の3人が詰め寄り、さらに優勝争いの行方は読めない展開に…。

 14番の308ヤード“サービス”パー4ではワンオンできず左ラフに落とすも2打目のアプローチでチャンスを作り、再び2打差をつける。それでも彼にはまた試練が。「一番大事なホールでした」という15番パー5。ティショットでフェアウェイに運んだが不運にも目の前に木が。「今思えばレイアップしていけば良かったかな」という2打目のインテンショナルフックは、曲がりきらず右のラフに落ち、またしても木が邪魔をする。グリーンが狙えない状況の3打目はグリーン右サイド20ヤード地点へ。ボギーの雰囲気が漂ったが急斜面からの左足下がり難しいアプローチを2.5mに寄せて、パーセーブ。そのまま9アンダーを死守して逃げ切ることに成功した。

 2日目に“64”のビッグスコアを出したものショットが悪い中での今季3勝目。賞金ランクも約8,000万円と独走態勢に。だが絶好調の今シーズンとは対照的に、シーズンを通して中位ばかりで賞金ランク35位となった2014年シーズンは「僕にとって最悪の年だった」という。今年1月に妻チョン・ソンイさんと挙式をしたキョンテだが、本来は12月の予定だった。だが「12月だったらプロ仲間や招待客を多く呼べたけど(2014年は)良くない年だったので…」と悪い流れをリセットし、2015年を気持ちよく迎えるため、1月の第1月曜に変更したのだ。

 迎えた今季は、2010年以来の2度目の賞金王が早くも現実味を帯びてきた。『タイランドオープン』で3年ぶりの優勝を味わったときには“もう今季は十分かな”と思うこともあったというが、「1回勝ってその後ダメになる人は多い。人間だから“もういいんじゃない”と思うことは仕方ない。だから今はつねに自分にプレッシャーをかけて練習に励んでいます」。1度ついた火を絶やさぬように、己と戦うことでモチベーションを保ちつづけている。

 2010年の頃のほうがショットの力はあったというが、今はショットに自信がなくても、スコアを作る力が上がっていると確信している。今大会の優勝で当時の年間勝利数に並んだが、生まれ変わったキョンテは4勝目、5勝目と積み上げていくかもしれない。

<ゴルフ情報ALBA.Net>