<全英オープン 初日◇16日◇セントアンドリュース・オールドコース(7,297ヤード・パー72)>

 セントアンドリュース・オールドコースで開幕した「全英オープン」。風が強まった午後スタートながら、6度目の挑戦となる藤田寛之が日本勢唯一のアンダーパーで回り、1アンダーの41位タイで初日を滑り出した。

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 最大のピンチは、この日1つのバーディも出なかった17番パー4。エッジまで240ヤード弱でスプーンを握ったセカンドは、花道右の深いブッシュにつかまった。3打目のアプローチは「左の“トミーズバンカー”が嫌だなというのがあって、フェスキューに引っかかるのを警戒しすぎた」とシャンク気味に飛び出して、舗装された道路手前の浅いラフ。「エッジまで7、8ヤード、そこから10ヤードくらい。しかも沈んでいた」。ダブルボギーも覚悟する状況だ。

 しかし、リンクスの硬い地面対策にバンスを大胆に落とした特製サンドウェッジが、「いい働きをした」。沈んだライから上手く拾うと、柔らかく上がったボールは軽いフックラインを描いてカップイン。まるでバーディを奪ったかのような大喝采に「メジャー特有の鳥肌モノの歓声。何とも言えない」と驚きと喜びが混じった表情で静かにボールを拾い上げた。

 今年で46歳を迎えた藤田。今季はこれまで誰よりも強いこだわりを持ってきたメジャーへの思いを、一段セーブして臨んでいる。ゴルフの状態、体力としっかり向き合って「今までは自分以上の自分でやろうとしていた。今の自分でできるところでやろうと。ヘンな感じですけど、気楽ですね」。それは手抜きでもなんでもなく自身としっかりと向き合った末の答えだった。

 今年が最後の全英となる名物スターター、アイバー・ロブソン氏のコールでゴルフの総本山R&A本部前からスタートする1番ホール。誰もが憧れるロケーションにも、この日は高ぶりも気負いもなくティオフを迎えた。「もちろん、素晴らしいステージ。でも気楽にと思ったら逆に周りが見えてきた。“最高だな”なんて思いながら歩いて…でも、1番のセカンドでもう3メートルくらいのクリークにびびってますけどね(笑)」。そう語る藤田の笑顔はテーマ通り。自然体だ。

 スタートタイムが入れ替わる2日目ももちろんやることは変わらない。「明日がポイント。明日も我慢して、なんとかパーをセーブして、チャンスをモノにしていく。ギリギリの戦いなんでその辺りをしっかりできたら」。ゴルフの聖地は“今ある藤田”を受け入れてくれるはずだ。

<ゴルフ情報ALBA.Net>