<日本プロゴルフ選手権大会 日清カップヌードル杯 最終日◇17日◇太平洋クラブ 江南コース(7,053ヤード・パー71)>

 アダム・ブランド(オーストラリア)の圧勝劇で幕を閉じた「日本プロゴルフ選手権大会 日清カップヌードル杯」。実力者がひしめくリーダーボードの上位に、一人の飛ばし屋が帰ってきた。昨年はレギュラーツアー出場わずか2試合。今季も今大会がレギュラーツアー初出場となる額賀辰徳がトータル10アンダーの9位タイでゴールテープを切った。

今季の国内男子ツアーをフォトギャラリーで振り返る!
 2009年、10年と2年連続を含む、過去3度のドライビングディスタンスナンバー1。額賀は当時日本で大旋風を巻き起こしていた石川遼もうらやむ規格外の力をツアーで見せつけていた。2012年には平均305.85ヤード。これは2004年に小山内護がマークした平均306.82ヤードに次ぐ記録だ。

 しかし、2010年に賞金ランキング96位に終わりシードを失うと、飛ばし屋は苦悩の時期に入る。「やっぱり飛ばしだけじゃなくて小技を求められたし、まわりもそういう風に言ってくる。若かったので、まだまだやることも多いと思ってやっていたけど、それが自分のゴルフを小さくしてしまった」。2013年には平均297.50ヤードに飛距離も落ち込み、額賀の名前が注目されることは減っていった。

 思うように結果を出せない日々を過ごすうちに、いつしか若手から中堅選手と呼ばれる年代。同年代が結果を出していく中、下部ツアーでも苦しい戦いが続いて「気持ちは、もちろんすごく落ち込んだ」。しかし、30歳を迎えて「もう一度頑張ろうと思った」。トータルでのゴルフの向上はもちろんだが、「自分の長所をもっと生かせるようにやる。足りないところばっかり練習してきて、自信を失っていたので」と飛距離へのこだわりを改めて心に誓った。

 拠点を置くつくば市で徹底的に体をいじめ抜く日々。「ボリュームをつけるだけでなく、それを使えるような筋肉を」とツアーが始まってからもトレーニングは欠かさず、今週も毎日ツアーのトレーニングカーで体に負荷をかけた。食事にも厳しく制限をかけて、1年前からはアルコールも断った。すべてはツアーの表舞台に返り咲くためだ。

 その成果は少しずつだがしっかりと表れている。この日543ヤードの1番パー5ではティショットを約340ヤードを飛ばし、セカンドで握ったのは8番アイアン。「このコースはフェアウェイが狭くて飛ばし屋に不利と言われていたけど、それは300ヤードくらいの話で340ヤードくらい飛ばせば広いところも結構あった」。日本の規格におさまらない飛距離をしっかりと刻み込んだ。

 ホールアウト後は何人ものファンにサインを求められるなど、その人気は健在だ。「飛ばしは、もう日本で一番を目指すんじゃなくて、日本で一番は当たり前。ぶっちぎりに飛ばして、目指すはもうバッバ・ワトソンですよ。ダスティン・ジョンソンですよ。ビンビンに振って、張り合いたい」。そんな言葉も決して夢物語には聞こえない。粗削りだけど、今の男子ツアーにはこんな男が必要だ。

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