【村口史子の目】

 国内女子ツアー2015年シーズンは試合数は前年と変わらず37試合。しかし、「リゾートトラストレディス」など4試合が賞金額を増額したため、賞金総額は昨年より5,692万円アップで過去最高額の33億3300万円になりました。

国内女子ツアーさらなる繁栄のために必要なこと みんなの意見
 私の時代は賞金総額6,000万円が高額大会でしたが、今では低いぐらいです。選手寿命が昔と比べて短くなったように感じるので、正直一概にうらやましいとは思いませんが今の女子ツアーの人気は本当に凄いと思います。

 次々に新鋭が出てくるし、ウエアも華やかで可愛い選手も増えました。私が引退した直後に講演で「男子と比べて賞金額が少ないけどどう思いますか」と聞かれました。その時は「女子は3日間、男子は4日間。私たちはそんなことを考えてもしょうがない」と答えた記憶がありますが、今では4日間大会も増え、試合数では男子を上回り賞金総額の差もだいぶ少なくなりました。隔世の感を禁じ得ないですね。

 でも私は今のままでは女子ツアーがこれからも盛り上がっていくとは思えません。数年前から言われていますが、日本人プロがもう少し頑張らないと。韓国人のプロが現在多数活躍していますが、中国やタイなどでもゴルフが盛んになってきていい選手がたくさんでてきています。これから日本を目指すアジアの選手はなお一層増えてくるでしょう。

 タイのアリヤ・ジュタヌガーン選手は今季米国ツアーに本格参戦して、開幕から3戦連続してトップ3フィニッシュ。彼女のような選手が日本ツアーに来れば、活躍は間違いありません。日本はアジアから近く、移動面や食事面でアメリカに行くよりはだいぶ楽に戦えるはずです。アジアの強豪たちがアメリカではなく日本を目指す、申ジエ選手が日本ツアーに帰ってきたように、そういう時代が間もなく来るのではないでしょうか。

 今はプロアマでの選手たちの評判がよく、スポンサーが増えていますがそれだけではいつか切られてしまうでしょう。テニスでは錦織圭選手の活躍により、テニススクールに入りたいと希望する子供たちが増えていると聞きます。世界で活躍する選手の存在が競技の底辺拡大につながっているのです。ゴルフでも同じことが起こって欲しいですね。

 “世界で戦える選手”の存在が女子ツアーの価値をより高めてくれると思います。日本のゴルフ界はそういう選手の育成や、サポートにもっと力を入れるべきです。ゴルフはリオ五輪からオリンピック競技に112年ぶりに復活し、2020年には東京でオリンピックが開催されます。このまたとない機会に向けて、強い日本人選手がどうすれば誕生するか、協会含めゴルフ界で考えてみるべきでしょう。

 あと、私が最近テレビ業界にいて思うのは、これだけ人気選手がたくさんいるのだから、各放送局がもっと中継に特色を出してもいいのではないでしょうか。これは私の課題でもあります。今季はレポーターや解説者として、もっといい中継になるようにして女子ツアーがさらに盛り上がるよう微力ながらお手伝いしたいと思っています。

村口史子 プロゴルファー
東京都出身。1990年春にプロテスト合格。1991年の「サントリーレディス」で初優勝。1999年には年間3勝を挙げ賞金女王の座に輝いた。ツアー通算7勝。2004年にツアー競技からは引退。以降は雑誌やテレビの解説、レポーターとして活躍している。

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