今年も渡邉彩香、酒井美紀、鈴木愛、アマチュアの勝みなみなどが初優勝し、数多くのニューヒロインが生まれた女子ツアー。彼女たちはこれまでの実績から“いつ勝つのか”が注目されていたが、ほとんど無名の状態から一躍時の人となったゴルファーがいる。

苦労人・前田陽子が激闘を制し涙の初V
 プロ9年目の前田陽子、今年で30歳。今季、「伊藤園レディス」の2日目で首位に立つまで、ほとんどの記者たちが話しをしたことがない存在だった。今季、ようやくツアーフル参戦できる権利を獲得した苦労人。1月までダンボール工場で勤務していたことが大々的に報道され、名前を覚えた方も多いだろう。

 前田は12月10日(水)、大山志保、上原彩子、一ノ瀬優希、鈴木ら同じくピンゴルフと契約するプロたちと一緒に、同社主催のコンペに登場。トークショーの他、参加者たちとパター勝負などを行い「一番苦手なやつで勝負なんて…お客さんの方が上手かったりして(笑)」と苦笑しながらも、契約プロとしてメーカーのイベントを大いに盛り上げた。

 今年は優勝者と賞金ランク25位までの選手しか出場できない最終戦「LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」に出場。そこで誕生日も迎えた。そしてオフはイベントに参加、環境はガラリと変化したが、本人にはこの状況を予想していたか聞いてみたところ「全くです。誰が想像するんですか」と笑われてしまった。

 前田はショットの安定度などは定評があったが、これまで成績が上がらなかったのは「パットが原因」だったという。大きな悩みの種で「パターに関しては、ちょっとでも良くなるならなんでも試そうと思ってた。いろいろな人からアドバイスをもらって、いろいろなイメージを試した」とパターを変更したり、いろいろな人から意見を仰いだ。その中で8月ごろ契約メーカー中尺パターを作ってもらった。これを練習グリーンで使用したところストロークが良くなり「優勝につながったと思います」という。

 その他にもピンゴルフには「自分のわがままを聞いてもらったり。本当に助かってます。アイアンとかも、シャフトも大分悩みました」ときめ細かいサービスを受けたことに感謝を口にした。

 このオフは「パターとか、アプローチを磨きたい。パターがダントツ、他の部門より悪かったので、もう少しいけるんじゃないかと思ってる」と弱点の克服に時間を費やす予定だ。来季の目標については「2勝目とか、できることならやりたいけど…自分で言うとプレッシャーになるので。今年みたいに“良かったな”と思えたら嬉しい」と控えめに話した。

 初優勝を挙げた際には契約メーカーだけでなく「今まで支えてくれた人すべてに感謝したい」と涙した前田。最近は若くして花が咲く選手が多いが、前田が今回大輪の花を咲かせたことに勇気付けられたゴルファーも多いだろう。来季はこれまでとは違う重圧がかかるかもしれないが、浮かれることなく着実に歩みを進めている彼女ならきっと大丈夫だ。

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