<ファイナルQT 最終日◇10日◇白山ヴィレッジゴルフコース>

 「は〜、疲れた」。クラブハウスに戻ってきたときの憔悴しきった表情がこの6日間の苦しみを物語っていた。「とにかく辛かったし、怖かった」と矢野東。『東海クラシック』以後からずっと取り組んでいるスイング改造が奏功し、ショットは全体的に良かったというが、問題は精神面だった。

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 2バーディを奪って迎えたハーフターン後、ネガティブなイメージがつねに頭をよぎり、攻めのゴルフができない。昨日まで「そんなに難しくないかも」と感じていたコースだったが、この日はピン奥に突っ込めず、パットも消極的に。「なんでこんなに苦しまなきゃいけないんだ」と矢野の心中は揺れ動いた。それでも好調のショットを武器に後半をイーブンパーでまとめきり、トータル12アンダーで来季前半戦の出場権資格である35位以内を確定させた(※残り2枠が決まっていないため最終順位は未確定)。

 だが「これで安堵はできない」と矢野は語気を強めた。今シーズンずっと抱えていた“大好きなゴルフが怖くなって苦しい”という葛藤は、QTの結果で晴れるものではない。

 「(葛藤が生まれたのは)色々なことを突き詰めようとしすぎたからかもしれない。今思えば、若い頃は良い意味でなめていたのが良かったんだと思う」。酒をたしなみ、趣味に興じていたころは、ある種言い訳できる“逃げ場”があった。それが“突き詰めよう”としすぎたあまり“逃げ場”を失い、心に余裕が無くなっていった。今回のQTも同様で、この6日間でパターを5種類も試した。持ち方も順手とクロスハンドの両方で打つなど四苦八苦。「その考えすぎがいけないのかもしれないけど」と頭では分かっているというが…。

 オフは「ゴルフの技術よりも心の部分を何とかしないと」と矢野。恐怖心を克服しないと、来シーズンも今年と同じような苦しみを味わうことは自分自身が一番分かっているだろう。「一度リセットしたい。根本から考え方を変えないといけない」。本当の復活へ、矢野東の苦しい旅は続く。

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