<ゴルフ日本シリーズ JTカップ 最終日◇7日◇東京よみうりカントリークラブ(7,023ヤード・パー70)>

 苦しみ続けた賞金王への歩みは3連続バーディで締めくくった。賞金ランキング1位の小田孔明は、最終日に6バーディ・2ボギーの“66”をマークしてトータル6アンダー3位タイフィニッシュ。藤田寛之、近藤共弘、岩田寛の4人で争った賞金王の座を文句なしで決めて見せた。

孔明、悲願へ残すは18ホール「笑って賞金王になりたい」
 西日が照らす難易度ナンバー1の名物パー3。小田の放ったティショットは強烈に手前に傾斜するグリーンを突き刺して大歓声を引き出した。「めっちゃいいところについてるから、ショートしたらカッコ悪い」手前6メートルのバーディパットを執念でねじ込み、16番から3連続バーディ締め。賞金王にふさわしい堂々のゴルフを演じきって見せた。

 開幕前から求め続けた賞金王。それが現実のものとなりグリーンを降りると、目にこみ上げるものがあった。シーズンも終盤に入るにつれて強烈なプレッシャーにさらされ、「寝ていてもすぐ起きちゃう」と熟睡できない日々。テレビインタビューで青木功から言葉をかけられると「ダメでした。何を言われてもジンと来る。泣かないようにしたけど…」。思わず言葉が詰まった。

 文字通り飛躍の年となった2014年。賞金王にまで自らを押し上げたのは、これまで乏しかった海外での経験も大きかった。今季は海外メジャー「全英オープン」と「全米プロゴルフ選手権」に出場。共に予選通過を果たし、「メジャーで予選通過したのが自信になった。あのおかげで賞金王が獲れた」とうなずいた。

 これまで弱点だったアプローチの上達も「俺はウェッジがヘタというのが分かった。メジャーで向こうの選手がどう寄せているかを見たのも大きかった」と、改善のきっかけをくれたのも海外での経験。前年19位だったパーキープ率は今季6位まで向上した。

 賞金王に手をかけた最終日前日には、小田にゴルフを叩きこんだ父・憲翁さんから「めずらしく」メールが届いた。この父子らしく「三国志に例えて、諸葛孔明が言った言葉が書いてあった。これにはジーンとくるものはありましたね」。「結果を出してから連絡しようと思った」とあえて返信はせず、言葉を胸に刻んで最終日をティオフ。父の厳しい指導で自らのゴルフを作り上げてきた36歳は「少しは恩返しできたかな」と照れくさそうに笑った。

 小田は次週も世界ランキングアップのために「タイ選手権」に出場。まだ賞金王の余韻に浸る暇はないが、「帰ってきたら、(HONMAの工場がある)酒田で谷原(秀人)と飲めない酒を飲みますよ」。今回くらいはいくら酔いつぶれても、誰も文句は言わない。

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