<マイナビABCチャンピオンシップ 最終日◇2日◇ABCカントリー倶楽部(7,130ヤード・パー71)>

 18番で優勝を決めるパットを沈め、ガッツポーズをする小田龍一。そこに池田勇太が向かい、がっちりと抱き合った。「18番グリーンで待っていたのには気づいていました。笑っているぞって思いながら。(今まで優勝のチャンスを逃して)待たせていましたから」と小田。「マイナビABCチャンピオンシップ」最終日、1イーグル・7バーディ・ノーボギーの会心のゴルフで“師匠”と歓喜を味わった。

小田龍一、好調は“先輩”と“師匠”のおかげ
 結果的に2位に5打差をつける完勝だったが、本人曰く「紙一重」だったという。通算12アンダーの首位タイスタートで「目標スコアは18アンダー」だったが、最終組でともに回った谷原秀人が付かず離れずついてくる。15番のパー5でイーグルを奪い、通算19アンダーとするが、直後谷原もイーグル返し。
2打差でラスト3ホールを迎えた。

「スコアは覚えてません」と無我夢中だった。「谷原がすごいゴルフをしていたので、途中で目標を20アンダーに設定し直した」という程、神経をすり減らす戦い。ここで気合を入れ直した小田は続く16番パー3でバーディを奪い谷原を引き離し、18番もバーディ締め。5年ぶりの優勝を“62”のビックスコアで飾った。

 優勝後の会見では「今年シードを落としたら、もう戻ってこれないと思っていた」との心境を告白。昨年はショットイップスだと思うくらい不調で今年前半も調子が上がらず。「こんなゴルフ人前で見せられるものではない、ゴルフをしたくないと思うときもあった」と苦しい時期を過ごした。

 苦しい時期に多くの人に支えられた。発破をかけてくれていたのは年下だが“師”と仰ぐ池田勇太。今大会中も含め、ショットのワンポイントアドバイスを受け、目指すべき方向性が明確になっていき、「東海クラシック」頃からショットの精度が高まっていったという。

 「テークバックして、すぐに切り返しにいくイメージだったので、ダウンスイングで突っ込んで、上から叩きにいっていた。アイアンもひどい曲がりよう。それをパターのストロークのようにヘッドの動きをイメージすることで改善された。」という。ショット前は素振りをせず、インパクトゾーンのチェックだけ。迷いなく打てている印象が初日から伝わってきた。

 今シーズンは刺激になる出来事があった。ホームコース(鹿児島高牧GC)を同じにする、勝みなみが史上最年少のアマチュアでのツアー優勝。「彼女が勝った時、僕は調子悪かったので“ちょっと教えてよ”って聞いたりした」といい、またコース関係者からは「すごいね、みなみちゃんは!(小田くんは)何やってるの?って言われた」と発破をかけられたという。

 苦難の中家族、仲間、人達に最高の恩返しとなる勝利となった小田。今後の目標を問われると「来週に誰とラウンドするのか心配です」とメディアを笑わせた。

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