<ファンケルクラシック 最終日◇24日◇裾野カンツリー倶楽部(6,911ヤード・パー72)>

 奇跡の大逆転から1年…今年は初日から首位を走る完全優勝で大会連覇が達成された。国内シニアツアー「ファンケルクラシック」の最終日。トータル4アンダー首位タイから出た羽川豊が4バーディ・1ボギーの“69”をマーク。トータルスコアを7アンダーまで伸ばし逃げ切りで大会連覇を達成した。

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 フロントナインに流れを掴んだのは同じ首位スタートの高見和宏だった。高見は1番をバーディとして幸先の良いスタートを切ると、前半さらに2つのバーディを奪取。一方、羽川のフロントナインは8番のバーディ1つで、ハーフターンした段階ではトータル7アンダーの高見が羽川らに2打差をつけて、首位を独走した。

 さらにバックナインに入って羽川が12番でボギー。この時点でその差は“3”に広がり、そのまま高見が逃げ切るかと思われたが、試合が動き始めたのは14番。ここで高見が痛恨のダブルボギーを叩いてスコアを後退させると、対照的に羽川が15番、16番と立て続けにアイアンショットをピンに絡めて連続バーディを奪取。3ホールで3打差を逆転し、羽川がこの日初めて単独首位に立った。

 その後は17番を互いにパーとして、勝負は最終18番のロングホールへ。ここで高見はサードショットをピン手前に2メートルに寄せて大会制覇に望みをつないだが、セカンドショットをグリーン手前カラーまで運んだ羽川はこれを1メートルにオン。結局、バーディを逃した高見に対し、羽川は落ち着いて1メートルを沈めてバーディフィニッシュ。上がり4ホールで3バーディを奪う猛チャージをかけた羽川が完全優勝での大会連覇を達成した。

 ゴルファーとして培ってきた技術と経験、そして“解説者”として培った第3者的視点が羽川の逃げ切り優勝を支えた。フロントナインは同組の高見がショット・パット共に好調で着実にスコアを伸ばしていったが、冷静に試合を見ていた羽川は「(パットが)ちょっと打てていない部分が見えていたので、後半苦しむだろう」と分析。その予想は高見の後半ノーバーディという結果に表れ、そして終盤での大逆転劇を呼び込んだ。

 「周りを見れるようになっているのは確か。経験を積んでいるし、解説なんかもやってきて、試合を外から見れている。選手だけでずとやってきたら見えなかったね」。テレビ解説として様々な試合を外から見てきた羽川の経験は今の老獪な試合運びにつながっている。

 一方で、「試合中も選手を解説しているように見ちゃうし、自分もそういう風にされてるって思ってる。だからパットでショートしたら“ビビってる”って見られるから、打つよね」と解説者としての視点は自身のマネジメントにもつながっている。優勝争いの緊張感の中でも冷静に自分を外側から眺め、そして解説者視点で的確な選択を導く。若い選手にはない経験に裏打ちされたシニア選手の強さであり、魅力だと言えそうだ。

 羽川は今回の優勝でシニアツアー賞金ランク1位に浮上。当然、初の賞金王も視界に入る位置だが、「そういうのはまだね…」と意識はしていない様子。しかし、「日本シニアオープンは頑張りたいね」と自身が持つ「日本学生」「日本オープン」に続く日本タイトル奪取に意欲を燃やした。

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