松村道央の優勝で幕を閉じた11年ぶりの国内マッチプレー競技「片山晋呉インビテーショナル ネスレ日本マッチプレー選手権」。国内ツアーにおける位置づけは“ツアー外競技”となる今大会だが、国内最高額に並ぶ優勝賞金4000万円に加えて、副賞としてグローバルチャレンジサポート1000万円、欧州ツアー「ハッサンII世トロフィー」への出場権を付与するなど破格の規模で開催された。

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 今大会では複数チャンネルの中から好みの放送を選択して視聴できるインターネット中継やキャディにマイクを装着させることで選手との会話を生で聞ける仕組みを作るなど、様々な試みが行われた。また大会期間中、選手とギャラリーの境界線となるロープの設置を最小限に抑え、最終日には係がロープを持って先導することで、ギャラリーがフェアウェイから選手のプレーを観戦できるように配慮するなど、これまでにない新しい形のトーナメントを目指して大会が運営されてきた。

 「正直やっている間に不平、不満が出るのは覚悟した」と話すのは大会を主催するネスレ日本 代表取締役社長兼CEO高岡浩三氏だ。今大会では出場選手を主催者が推薦する32選手に絞り、ギャラリーの入場チケットも前売り券のみの販売にするなど、従来の枠にとらわれない方式を取っていた。それだけに、大会が始まってから様々な不平・不満が出てしまうであろうことはある程度予想していたという。

 しかし、結果としては「ほとんど出なかった」。むしろ、出場した選手からは「主催してくれてありがとう」「来年も続けてほしい」など喜びの声が続出し、インターネットのライブ中継には想定以上の視聴者が訪れた。「SNSなどを通じてすごい反響になっていました。特に金曜日はライブ中継の他にVTR(録画)でも見られるようにしておいたことで、お昼休みの時間帯や帰宅時間にビュー数が急激に増えました。多くの人がこの大会に触れてくれていたのだと思います」。

 一方、BS放送を使用したテレビ中継も好調で、「インターネットとテレビという相乗効果が生まれているのではないかと感じる」と新たな取り組みに対する手応えを口にした。「ネスレ日本としても投資に対するリターンがなければやらないが、このような大会を開催することによるPR効果は、インターネット放送やBSの好調さが物語っている」と話し、1人のビジネスマンとして今大会を主催する大きな意義を感じていた。

 そんな高岡氏が構想するのは、将来的な優勝賞金の増額だ。これは海外ツアーを転戦する経費が日本の4、5倍になることを考慮したもので、「優勝賞金を1億円までアップさせたい。海外への挑戦をサポートしていきたいと思っている」と力強く話した。今後も今大会の趣旨に賛同するグローバルな企業に声をかけていく予定とのことで、そうなれば賞金総額の増額はもちろん、また新たなトーナメントが誕生する可能性も十分にある。「多くのスポンサーが出資しやすい、人気のあるトーナメントを作るにはどうしたらいいか。それを考えていきたい」と話した。

 国内ツアーに新たな息吹をもたらした今大会。今後も進化を続けながら継続して開催されていく予定となっているが、果たして、衰退する国内男子ツアーを変えるきっかけとなるか。

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