<ANAオープン 3日目◇20日◇札幌ゴルフ倶楽部輪厚コース(7,063ヤード・パー72)>

 突如降り出した天気雨をイエローボールが切り裂いた。トータル11アンダーで迎えた宮本勝昌の17番パー5。「雨が強く振っていたのでスピンバックすることはないと思った。ゆっくり70ヤードを打とうと思った。イメージ通りです」。フェアウェイから放った3打目はピン手前1メートルでバウンドしてそのままカップの底を叩いた。

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 この日は我慢の展開が続いていたがこのホールで1打差の2位に浮上。最終18番ホールでトーナメントリーダーだった谷原秀人がボギーを叩いたのに対し、宮本は約2メートルの難しいパットをセーブしてフィニッシュ。2010年以来の優勝へトータル13アンダーの首位タイで最終日を迎えることとなった。

 前半は同組の谷原、藤本佳則に押される展開。「2人は上手いね。フェアウェイは外さないし、ピンには寄るし。日本トップクラスの2人だから」。スタートスコアの9アンダーで足踏みを続ける宮本に対し、いとも簡単に2桁アンダーの世界に入っていく。そんな中、思い起こしたのはやっぱり“あの人”のこと。同門の兄弟子で2012年に今大会を制している藤田寛之だ。

 「バーディチャンスが近いわけでもないし、ついても難しいラインばっかりで気持ちを維持するのが難しかった。でも藤田さんならこういう時冷静にやるだろうなと思ってやっていた」。バーディは獲れなくとも、淡々とフラットな気持ちを保ってパーを積み重ねていく。「でもそんなことやってて、気が付いたらその藤田寛之(この日9アンダー)に抜かれていた」というのは笑い話だが、そんな姿勢が12番、13番の連続バーディ、そして17番のイーグルにつながった。

 ホールアウト後のこの日の第一声も「CAさんとの写真撮影に近づきましたね(笑)」。今大会は優勝者をANAの客室乗務員が囲んで写真撮影するのが恒例となっており、宮本は長らく憧れを抱いてきた光景だ。スタート前には会場入りしている客室乗務員から「お待ちしています」と声をかけられ俄然やる気もアップ。加えて、ANA航空機の中で流れる大会番組に登場することも一つのモチベーションだ。

 「その2つの夢に向かって頑張ります」。フラットな気持ちとちょっとの雑念と。様々な思いを抱えて最終日のフライト…ではなくティオフを迎える。

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