<マスターズ 最終日◇13日◇オーガスタ・ナショナルゴルフクラブ(7,435ヤード・パー72)>

 泣き虫バッバがまた泣いた。20センチのウィニングパットを沈めると、口を一文字に結んで涙をこらえる。しかし、グリーンサイドで妻アンジ―、よちよち歩み寄る息子のカレブを見つけると、抱き合って子供のように肩を揺らして涙にくれた。

 米国男子メジャー「マスターズ」の最終日。トータル5アンダーの首位タイからスタートしたバッバ・ワトソン(米国)がトータル8アンダーで逃げ切り2012年以来2度目のマスターズ制覇を達成。17人目の大会複数回優勝者となった。

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 首位タイでスタートした序盤は20歳のジョーダン・スピースに圧倒された。タイガー・ウッズの持つ史上最年少優勝記録更新を狙ったスピースは4番でチップインを奪うなど、序盤からバーディを量産。一時は2打差をつけられて首位の座を明け渡した。しかし、オーガスタを知り尽くすレフティモンスターは慌てない。

 8番パー5では持ち前の飛距離を活かしスピースを約70ヤードアウトドライブするスーパーショット。落ち着きが失われ始めた20歳を尻目にバーディを奪うと、9番でも下りの難しいパットを沈めて連続バーディ。逆に2ストロークのリードを奪って、サンデーバックナインを迎えた。

 後半は難関10番をボギーとしたものの、その後は危なげないプレー。得意のカット打法と異次元の飛距離でレフティ有利とされるオーガスタを制圧していく。「終盤はパーを重ねるのに必死だった」と語るが、その間20歳のスピースは12番パー3の池ポチャなどでスコアを落とし一人旅。硬く締まったグリーンをものともしない高弾道のショットで着実にパーを並べ、終わってみれば3打差以内に誰もいない完勝だった。

 勝負弱さも払しょくした。ワトソンが最終日を首位か首位タイ迎えるのは今大会で8度目。しかし、過去7回中そのまま逃げ切りで優勝を決めたのはわずかに1回だけ。トーナメントをリードしながら詰めの甘さがでて、最終日に涙を飲むのはいつもワトソンだった。だが、今回は一度は追い抜かれて、追いついて、突き放した横綱相撲。しかも、舞台はマスターズだ。

 「このためにすごく努力してきたし、ここに戻ってこられてうれしい」。今大会含め6度の優勝を誇るが、優勝するたびに涙を流す感激屋。「6勝して、グリーンジャケットを2回も手にすることができた。こんなこと、夢にも思わなかった」。オーガスタに落ちた2度目の涙はワトソンの更なる進化を象徴する勲章のように輝いた。

【バッバ・ワトソンの過去首位スタートの結果】
2007年シェル・ヒューストン・オープン 1位→2位T(72)
2008年アーノルド・パーマー招待 1位タイ→8位タイ(72)
2011年チューリッヒ・クラシック・オブ・ニューオーリンズ 1位タイ→優勝(69)
2011年ドイツバンク選手権 1位→16位タイ(74)
2012年WGC-キャデラック選手権 1位→2位(74)
2013年トラベラーズ選手権 1位タイ→4位(70)
2014年ウェイスト・マネジメント・フェニックスオープン 1位→2位タイ(71)
2014年マスターズ 1位タイ→優勝(69)

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