<日本女子アマチュアゴルフ選手権競技 最終日◇29日◇大洗ゴルフ倶楽部>

 女子アマチュアゴルフ界にニューヒロインが誕生した。「日本女子アマチュアゴルフ選手権」の最終日。トーナメント方式のマッチプレーを勝ち上がり決勝に進出した蛭田みな美と佐藤耀穂が36ホールマッチプレーで争い、蛭田が3&2で勝利。今季のアマチュア女子日本一の称号を手にした。

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 若きアマチュア選手たちが躍動した今大会の決勝はそれにふさわしい名勝負となった。この日は、朝から断続的な降雨に見舞われるなど厳しいコンディションの中でのプレーを余儀なくされたが、両選手は序盤から一進一退の攻防を展開。2番で佐藤が1アップを奪えば、3番では蛭田といった具合に相手に大量リードを許さず、最初の18ホールを終えた段階では佐藤の1アップリードという状況だった。

 この頃には午前中の雨が嘘のような好天に変わり、試合展開にも変化が現れた。まず動いたのは佐藤。後半の18ホールに入り、2番4番とアップを奪ってこの時点で3アップ。ここまで動かなかった均衡が破られ、試合を優位に進めた。

 しかし、蛭田がここから驚異の粘りを見せる。6番ホールを獲って2ダウンに戻すと、続く7番も獲って1ダウン。佐藤に傾きかけた流れを取り戻すと、バックナインに入ってからは佐藤のミスをきっかけに3ホール連続で奪い、大逆転。この時点で蛭田の2アップと試合を一気に有利な状況に持っていくと、14番でもアップを奪って3アップ。そしてそのまま、ドーミーホールの16番を互いにパーで分けて、今大会最終マッチの勝利を手にした。

 「優勝できてびっくりしている気持ちもあり、とても嬉しいです」。この日は、序盤こそ好調だったパッティングが決まらずリードを許した蛭田。しかし、18ホールを終えた後の休憩中に行ったパッティング練習で、「自分の打ち出したい方向に打ち出せていない」ことに気づくと、後半はその点を意識してパッティングを修正。2ラウンド目の6番では4メートル、7番でも3メートルのパットをきっちり沈めて、逆転への道筋を作った。

 また、蛭田の今大会での優勝を後押したのは意外にも時を同じくして、国内女子ツアー「アース・モンダミンカップ」で初優勝を達成した酒井美紀の言葉だった。2人は同じ福島県出身ということもあって、以前から交流があり、昨夜も蛭田の父・宏さんに酒井からの電話があった。蛭田自身はその時、話すことができなかったようだが、酒井は宏さんに「29ホール以降が勝負」というアドバイスを送ったという。

 そして、今日の朝、その酒井からのアドバイスを受けた蛭田は、その言葉通り、29ホール以降に勝負をかけて逆転に成功。2010年に酒井が制したのと同じ「日本女子アマチュアゴルフ選手権」のタイトルホルダーとなった。そして、酒井が「アース・モンダミンカップ」を制したことによって、同じ福島県出身者による“アベック優勝”も同時に達成。思いがけない快挙に蛭田の表情にも笑みがこぼれた。

 かつては宮里藍や宮里美香も制したアマチュアの登竜門をクリアした蛭田。将来的には「海外で活躍できる選手になりたい」と話す16歳の今後に期待だ。

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